結果オーライ

まだGをストーカーと知らずに付き合っていたとき、クラスメートMに初デートを阻止された。

実習で街にでかけた帰りに初デートするかもというタイミングがあったが、Mがそこについてきたのである。

名目上はDちゃんの用事についていくとのことだった。もうひとりの同級生も同じ場所に用があったようでそこまで一緒に行った。用事が終わるとその子は帰っていった。しかしMは帰らなかった。Mが帰らないのでDちゃんも流れで一緒に行動することとなった。

正直空気を読んでくれ、こっちはカップルやぞ。と思っていた。

そのまま目的もなく四人で街を歩いた。何だこの時間と思いながら歩いていた。

途中Gが○ックに行きたいというので入ることになった。私は特に頼みたいものもなかったので待っていることにした。なにか頼むか聞かれたが今はいいやといった。するとMは急に血相を変えて説教を繰り出した。

M曰く、男には男のプライドがあるからちゃんと奢られろ。と。

私は仰天した。思考が少しの間停止した。各々自分で払うのが普通だと思っていたからだった。当然と言わんばかりの強い語調でMにそれを言われる理由もわからなかった。

しかし私には妙な柔軟性があった。自分の分は自分で払うという私の価値観を押し付けるのも悪いか、とMの忠告を受け入れることにした。郷に入っては郷に従えだ。正直に言えば、自分の意見を通すために人混みで口論をするのは面倒くさかった。

Gは○ックナゲット15ピース入りを買ってきた。Mがそれを等分し私とDちゃんに振り分けた。いやお前も食べるんかい。お前が仕切るんかい。というツッコミをぐっと堪えた。

というわけで初デートは無事阻止された。以降もデートは無かった。今では心から感謝している。本当に好きな人と初デートができる。

その後、Mからはいじめを受けた。

振り返ってみると、MはGに恋愛感情を抱いていたらしい。しかし、応援するといった手前や過去の経験から自分では絶対に恋愛感情を認められないので、私が悪いと周りに言いふらしたりハブったり祖母を馬鹿にしたりという行動に発展したようだ。

最終的に二人は付き合ったと聞く。最初からそこでくっついておいてくれればいいのにと思うが、そう簡単にはいかなかったのだろう。人にはいろいろな事情がある。とはいえいじめは余計だったと思うが。また、Gが両手に華だと言いふらしていたらしいことを人伝に聞いた。ストーカーするだけあって自己中心的で思い込みが強いらしかった。全く腹立たしい。

でも私は実は二人がクズで安心もしている。

私も義務感で付き合っていた罪悪感があったからだ。好きと言われたら応えるべきなど、今考えれば変だ。Mに恋愛感情を聞いた時点で逃げ道を探していたのに、逃げ道塞がれちゃってまあ。

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