研究者になりたいという夢はあったけど、届かないと分かったので自分の届くところに行きたい。
私は、研究者になりたかったのだろうか。
大学にいるときは、真面目に、研究者になりたいと言っていたが、
本当に研究者になりたかったのだろうか。
まず、研究者になりたいと思ったきっかけを考える。
私が研究者になりたかったのは、学問をしたかったからだった。
1番ゾクゾクして、これから先も新しいことが見つかり続けるだろうと思ったから、この分野に進んだ。
一方で、理系を選んだ動機は学問の道に進むには不純だった。
文系よりも理系の方が、就職に有利なのではないかと思っていたし、性格的に人と関わらずに済む職業に就きたかったので、そういう職業は理系でないと就けないと思っていた。
自分なりに、好きなことと性質を考えて判断した。
しかし、学問に対して真摯ではないという罪悪感がつきまとっていた。
それに、性格を考えても適性は考えていなかった。
適性を考えるのが苦手だったからだと思う。
あと、楽な方を選んではいけないと思っていた。
自分が楽にこなせることは何かを考えることも、それを選ぶこともタブーだったように思う。
嫌なベストマッチだな。
では、研究は苦しいばかりだったか?
というとそうではない。
先行研究を集めるのも、
プロトコールを作るのも、
ボロボロだったプレゼンをマシにしていけたのも、
実験をするのも好きだった。
ひっくり返って休学する前には、自分の動機が、研究で新しいモノを見出すことになっていたから、自分の過ごし易さのために選んだという罪悪感も薄くなっていた。
しかし、療養中に研究者としてやっていけないと気付いてしまった。
ずっと背伸びしていたからだ。
そこに、お父ちゃんが亡くなるという衝撃が加わって、崩れそうだった所に、不合格が横っ腹蹴ってきたから崩れてしまったんじゃないかと思う。
もう背伸びできない。
背伸びしないで、すぐ社会に役立つことのほうがしたい。
その方が、家族の役に立てる。
研究者になりたいという夢はあったけど、届かないと分かったので自分の届くところに行きたい。
そういうことだったんだな